ロシア絵画の鑑定は大きく分けて2種類ほどあるかと思います。
ロシア絵画を扱う專門家による鑑定とロシア人画家の家族(遺族)によって確認していただく鑑定の2種類が考えられます。
絵というのはどんなに綺麗に高画質の写真をとったとしても実際に見るという作業をしなければなりません。大切な作品を敬うという意味でも必要となります。
ロシア專門家による鑑定は実際に日本にマイクロスコープや鑑定に必要な最小限の機材を持ち込んで特殊な電気を用いながらちょうど病院で患者を診察するがごとくレントゲン検査のようなことをして、さらにキャンバスから絵の具を少量削って科学的に調べることが必要となります。このことからもかなりの費用がかかることが予想されます。
一方、画家の鑑定は作品に書かれているサインや裏書によって推測される画家の家族によって調べることとなりますがしかしこれには来歴というものを確認しなければなりません。どこでどのように買ったか、以前それはどういう方が所有していたかなど大変重要となります。
どんなにすごい機関であっても子供の頃から親の仕事を見ていた身内の判断は何よりも勝ると考えられます。
例えばギャラリーエルミタージュで紹介しているウラジーミル・グレミツキフの作品は一番の身内であるソビエトリアリズムコレクションで第一人者のご子息アレクサンドル・グレミツキフ氏による鑑定ということになります。
すなわち家族の目というのは侮れないということになります。